本全体が,黄色い気がします・笑。
かぼちゃの黄色,豊饒性を表す黄色。あたたかくて気持ちもほっこりするような,秋にぴったりの絵本だと思います。
種を植えて,芽が出て,実がなって,またその中から種が取れて・・・という「いのち」の循環をねずみくんたちが体感しています。その,驚きや愛着や喜びという気持ちがひしひしと伝わってきます。一粒の種がかぼちゃの実となって,最後にパイやスープなどおいしい料理が出来上がるシーンでは手を合わせたくなるような感謝の気持ちが読んでいるほうにも生まれます。
いうなれば『おてんとうさま』や『いのちのつぶ』のようなものに対する敬虔な気持ちがこの絵本の根底にあります。
ちょうど我が家でも,ベランダにプランターを置いて野菜を少し育て始めたので,芽が出た!台風が来たー!大きくなった〜!という様々に揺れ動く気持ちを共有できました。
ちなみに,英訳された方を先に読んだのですが,かぼちゃんと名付けるところが「Pumちゃん」となっていて,日本語の方がしっくりくるな,と思いました。