語りのテキスト、「おはなしのろうそく」にも収められている作品。
それだけに文章が洗練されている印象です。
10分弱の分量ですので、この作品のような絵童話のような体裁だと、
子どもたちも親しみやすくていいと思います。
世界でいちばんやかましい町、ガヤガヤの都での珍騒動です。
ここのギャオギャオ王子が、誕生日プレゼントに父王にねだったのは、
「世界でいちばんやかましい音 」。
子ども想い(?)の王は、その願いをかなえるべく、世界中の人々に叫ばせる準備を整えたのですが、
事態は意外な方向に。
人間心理を見事に突いた展開です。
でも、結末はその展開を凌駕します。
作者自身、語りの名手だったようで、語りの醍醐味を十分知り尽くしての作風だと思いました。
もちろん、耳を澄ませて、物語の世界を楽しんでほしいです。
やはり小学生くらいからがいいと思います。