ふとしたきっかけでこの絵本の題名を知りました。
平和、戦争に関係するような本とのイメージを持ち、読んでみたら、ビキニ環礁で行われた水爆実験で被ばくした第五福竜丸の事故後に描かれた本ということがわかりました。
いぬいさんのあとがきにもありますが、死の灰を浴びたトビウオのぼうやはその後どうなったのか?
息子もそのことがとても気になったようでした。
以前に「その時歴史が動いた」という番組で、この事故後、核実験に反対する動きが日本の主婦の間から起き、世界大会で水爆実験禁止へ結びついたということを見たことがあります。
第五福竜丸で被爆された方が「自分が人類史上最後の被爆者であるように」と言われたとこの絵本のあとがきにあります。
そのメッセージを残念ながら私は福島原発事故以前に受け取ることはできませんでした。
広島・長崎への原爆投下、第五福竜丸の事故、チャルノブイリ、そして福島。
その間には考え直す時間がたっぷりあったのに、なぜ立ち止まって放射能の恐ろしさを考えようとしなかったのかということへの悔いがいつも心の中にあります。
歴史に学ぶこともその一つですし、生命に関わるようなことは常に自分の身近に引きつけて考え続けること。
また、子どもたちにとって本当に安全な現在と未来のことを、大人として考えたいと思います。
一旦動いてしまった時計の針は戻せないにしても、これからの未来は便利でなくても安全な生活の方へ舵を切り替えていきたいと思うのです。