シベリアを舞台に人間と自然のかかわりを瑞々しく描いている。
猟師にとって、鹿は、ただの食料ではなく、皮で着る物、履く物を作り、そして肉を食べることにより自分の血を作るので、血を分けた兄弟という考えになる。
大自然の中の鹿を猟師の視点から淡々と語られていて、丁寧な印象がする。ただ、絵本にするには、ちょっと文章が硬すぎる感がある。寧ろ文学として、味わいたい気がするのは、私だけでしょうか。絵もとても繊細で美しく、大変完成度の高い作品なのですが、それが私にとっては、やや硬派すぎて、とっつきにくい絵本となってしまいました。