新刊
あっぱれ!われらのてんぐさま

あっぱれ!われらのてんぐさま(フレーベル館)

ある日、てんぐさまの自慢の鼻におできができて…?

  • 笑える
  • 盛り上がる

幼い子は微笑む」 夏の雨さんの声

幼い子は微笑む 詩:長田 弘
絵:いせひでこ
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2016年02月15日
ISBN:9784061332805
評価スコア 4.2
評価ランキング 24,175
みんなの声 総数 9
  • この絵本のレビューを書く
  •  2015年5月に亡くなった詩人長田弘さんの詩と『ルリユールおじさん』等で人気の高い絵本作家いせひでこさんの絵が合体した贅沢な絵本。
     子どもが読むというよりも、子どもの頃を忘れた大人が読むのにふさわしい。
     なんといっても、長田さんの詩がいい。
     全文を紹介したいくらいだが、そういう訳にもいかないので、抜粋で紹介しつつ書いていこうと思う。

     最初はこうだ。
     「声をあげて、泣くことを覚えた。」
     誕生である。この詩の断片につけられたいせさんの絵の赤ん坊にはまだへその緒がついている。
     「泣きつづけて、黙ることを覚えた。」
     赤ん坊は泣いて生まれ、そこからどんどん生きるための技術を覚えていくと、長田さんは美しい日本語で綴っていく。
     そういう学びがしばらく続いて、幼い子は微笑を覚えるようになる。
     長田さんは微笑のことを「この世で人が最初に覚える/ことばではないことば」と書いている。そして、それが「ほんとうに幸福でいられる」のはこの時だけではないかと問いかける。

     それから幼な子はどんどん成長していく。
     しかし、「何かを覚えることは、何かを得るということだろうか」と問いかけ、それは「違う。」と書く。
     そのことに気づくのは幼な子がたぶんずっと成長してからのことだ。自分が赤ん坊だった頃のことを忘れてしまった頃。
     「人は、ことばを覚えて、幸福を失う。/そして、覚えてことばと/おなじだけの悲しみを知る者となる。」
     知ることで悲しみが増えていくのに、どうして人はもっと知ろうとするのだろう。

     長田さんの詩の最後の一節は厳しい批評の目を感じさせるが、それはこの絵本を読んでもらいたい。

    投稿日:2016/07/24

    参考になりました
    感謝
    0

※参考になりましたボタンのご利用にはメンバー登録が必要です。

さらに「幼い子は微笑む」のみんなの声を見る

「幼い子は微笑む」にみんなの声を投稿された方は、こんな絵本にも投稿しています

きんぎょがにげた / しろくまちゃんのほっとけーき / もこ もこもこ / がたん ごとん がたん ごとん / はらぺこあおむし / いないいないばあ / じゃあじゃあびりびり / どうぞのいす / だるまさんが / からすのパンやさん

絵本の人気検索キーワード

ぐりとぐら /  はらぺこあおむし /  バムとケロ /  こびとづかん /  はじめてのおつかい /  そらまめくん /  谷川俊太郎 /  ちいさなちいさな王様 /  いないいないばあ /  いやいやえん /  スイミー /  飛び出す絵本

出版社おすすめ

  • はいるかな
    はいるかなの試し読みができます!
    はいるかな
    出版社:ニコモ ニコモの特集ページがあります!
    コンプレックスは長所だ!動物たちは、その特徴を使って ボールを入れることが出来るかな?


【連載】絵本ナビ編集長イソザキの「あたらしい絵本大賞ってなに?」

みんなの声(9人)

絵本の評価(4.2)

何歳のお子さんに読んだ?

  • 0歳 0
  • 1歳 0
  • 2歳 0
  • 3歳 0
  • 4歳 0
  • 5歳 0
  • 6歳 0
  • 7歳 0
  • 8歳 0
  • 9歳 0
  • 10歳 0
  • 11歳 0
  • 12歳〜 0
  • 大人 9

全ページためしよみ
年齢別絵本セット