爽やかな水色の表紙を開いたら,薄暗い部屋にあるちらかった机の上の場面からはじまる物語.そのギャップに戸惑いを感じました.
誰にだって落ち込むことはあると思います.しょんぼりしてなかなか気持ちがあがらないときに,モカみたいにかわいいうさぎがいいかおりのするコーヒーをすすめてくれたら・・・よし,がんばろう!とまた気力がわいてくることでしょう.
落ち込んだ自分に元気を取り戻させてくれたモカは,小さい頃の自分が作った物語に登場するうさぎだったなんて,想像してなかった素敵な展開でした.
どんよりとした灰色とあたたかみを帯びた水色のコントラストが印象的な絵本でした.灰色と水色,ギャップのある色のように感じられましたが,考えてみると,お空の色も,晴れ渡ってすがすがしい青空だったり,暗くて重そうな雲がかかったどんよりとした曇り空だったりと変化を繰り返しています.ひとつながりの色なんだなと気づきました.
どれだけ曇っていたって,いつかは晴れるときがくるように,落ち込んだって,きっとまた前向きになれる時がくる.
そういうことを気づかせてくれる絵本でした.