『アンネの日記』は、本でも読んだし、映画でも何度も見た作品です。あの、ミリー・パーキンスの清純さと澄んだ瞳。『アンネの日記』は、ヒトラーのユダヤ人虐待に由来する第2次世界大戦の中の悲劇でありますが、その中で成長していくアンネの青春でした。
収容所に送られてからの離別。生き残ったのが父親だけ、ミープさんに保管されていたアンネの日記が書籍になった経緯、おそらく『アンネの日記』に感動した人ならば知っている話かもしれません。『アンネの日記』は平和への道しるべです。
しかし、この絵本は期待して見たからか、『アンネの日記』を伝えたいという気持ちが強かったからか、少々期待の域から外れてしまいました。
虐げられた生活だったけれど、アンネはその中で自分を育てていったのです。そのアンネの輝きがこの絵本ではくすんでしまいました。
時代の暗さと、アンネの明るさの対比が、『アンネの日記』の素晴らしいところ。『アンネの日記』がのびのびとしているから、その重さに感動するのです。
この絵本は、『アンネの日記』を読んだことのある人向けかも知れませんが、なんとなく違和感を覚えるのは私だけではないような気がします。
この絵本を見て『アンネの日記』を読みたくなれば良いのだけれど、ちょっと難しいような気がしました。
絵が重すぎるのかも知れないですが。