なんとも変わった話で、のっけからおじいさんおばあさんは幸せでなかったというのですから引き込まれました。
「昔々おじいさんとおばあさんが」とくれば、「貧しいながらも幸せに暮らしていました」とくるもんだと思い込んでいたのですね。
で、まさかまさか?えぇぇぇ?と言っている間にあのラスト。一度読んだら忘れられないストーリーです。
あのネコだらけの丘には笑いさえ。だって風にそよぐ草のようにネコが。そんなバカな。
共食いという表現は私も引っかかったのですが(さらにおじいさんの行動にも)、娘はケロリとしたもので、大変におもしろかったとのことでした。
意味合いが違うから引っかかるのだろうとは思うけど、まぁ昆虫好きだと共食いはおなじみの行為でもあるかとも思ったり。
旦那は、本来残るべき勝者が残っていないと指摘。
でも、ここにこの話の真の意味がこめられているのかなとも。
争いごとについて書かれているのだとは思いましたが、旦那はさらに戦争だろうとの見解でした。ネコの数の多さと(現地での)出版年からそう思ったのですって。
人間が共食いして残らず、端で見ていた国が結局幸せになるという内容だと理解したそうです。
そう考えると、海外のこと。おじいさんおばあさんは神様だったのかもしれませんね。
それにしてもシュールでブラックです。私は逆にそこがツボにハマったのですが、好き嫌いは分かれるでしょうね。
娘は、読む前は「色数の少ない本だね」と言っていましたが、読後は全然気にならなかったとのこと。
あまり白黒絵本を読みたがらないで残念に思っていましたが、イケるかも……!と心中で拳を握ってしまいました。