まるで大きなクスノキに抱かれているような、深い緑色の表紙。
絵本の内容も心に沁みる、とても素敵なお話でした。
春になると満開になるピンクの桜も良いけれど、緑の葉っぱを生い茂らせている、どっしりとしたクスノキがウタちゃんは大好き。
嬉しかったこと、悲しかったこと、6年間毎日のように色んなことを話してきたクスノキさんは、大きな友だちのような存在です。
そんなクスノキさんが切られてしまうことになり、ウタちゃんが大奮闘します。
実話を元に作られたお話、しかもウタちゃんは作者であるみそのさんの娘さんがモデルだと知り、驚きました。みそのさんは造園家でもいらっしゃるそうで、木は勿論、様々な生き物の生態についても詳しく、とても勉強になりました。
クスノキを守ることは、その周りの多くの生き物を守ることにもつながっていることを知りました。とかく自己中心的な考えで生態系を壊してしまう恐ろしさ、身勝手さを反省させられました。
優しい色遣いの挿絵にも、とても癒される絵本でした。