【内容】
子どもにしか見えない、かぶきわらしが、歌舞伎の芝居小屋を案内する。
玄関から入り、客席、楽屋、黒御簾。今日の演目は「白波五人男」。名場面、見どころ、名セリフを迫力のある仕掛け絵本で紹介。歌舞伎ならではの仕掛けや、歴史など、盛りだくさん。
【感想】
美味しいところだけ、いろいろ寄せ集めた豪華な絵本。
作者の歌舞伎に対する愛情が伝わってきます。
名セリフ「しらざあ、いって、きかせやしょう」(by 弁天こぞう in 浜松屋)が一通り乗っているので、実際になり切ってセリフを言ってみて楽しめる。ルビ付きなので、安心です。
泥棒がいよいよつかまりそうな場面で、一人ずつ自己紹介するとか、歌舞伎は知ってみるとつっこみどころ満載。ギャグがたくさんできそうだ。
この絵本でいろいろな仕掛けや演目を紹介してあるので、それぞれ実際に見たくなってしまう。
歌舞伎は難しい!という先入観がなくなり、「おもしろそう」と素直に思える一冊。
何の知識もなくても、絵をみているだけでよい、歌舞伎の超・入門書としてもおススメします。
白波五人男の、ラストシーンが、エキセントリックで面白い。
とにかく、江戸時代にたくさんの人が、よってたかって「おもしろさ」や「かっこよさ」を追求していった結果、今にも残る名作の数々ができたとよくわかりました。
歌舞伎のコスプレをやってみたくなるかも!?