きむらゆういちさんのオオカミのシリーズが大好きなので、この絵本も気になってすぐに手に取りました。オオカミシリーズとは違いました。深い話でした。
元々オオカミの住むんでいた所に人間が住むようになったのかもしれませんし、人間の進歩やおごりがオオカミを邪魔者にしたのかもしれず、難しい問題を投げかけます。
人類が進歩し人間が住みやすくなることと、自然破壊が進むことは一概に表裏一体とは言えないことですが、その側面がないとは言えず、これを子ども達はどのように受け止めるのでしょうか。
この本を手にする子どもはオオカミのタオはかわいそうだと、バートルの言葉を信じていたはずと言いますが、バートルもかわいそうということに気づいていて、仕方のないことだと感じるでしょう。ところがオオカミがいなくなるともっと困ることが起きるんだと知ります。
特に高学年に読んでもらいたいですが、この本を手渡すときの大人のスタンスも気になります。子どもが考えることに丁寧に付き合って一緒に考えたいなと思いました。