深い作品で考えさせられました。人間が、困っていることを解決しようとして行動した結果、その先には、思わぬことが待っていたのでした。
すぐ目の前のことだけを考えて合理的に動いてもだめなのだ、と思い知らされました。それはこのお話の中だけのことではなく、今、私たちが生きているこの世界、この社会も同じ。知恵を持って生きなければ、繁栄するつもりがむしろ逆の道を辿ってしまうと教えられました。
一見、邪魔なものに思えても、実はすべてに意味があり、バランスが保たれていると言えるのでしょう。全か無かということではなく、グレーゾーンを残しつつ、悩みながら互いに共生の道を探りつつやっていくことが真の道なのだと思いました。そして、そこには これで終わりという終着点はありません。
バートルとタオが、相対する存在でありながら、互いに認め合っているのが かっこ良かったです。一緒に生きる道を見つけられなくて残念です。それは、知恵と知識があり考えることができる人間の責任と仕事です。今回のことで学んだバートルと村人たちが、新しい生き方を見つけることを願っています。
太く、力強い絵からは人間や動物がそれぞれ懸命に生きているという感じ、「命」が伝わってきました。