有名な渡辺の綱の羅生門での鬼退治のはなし。といっても、渡辺の綱事態を知らない人も多いと思う。
そんな人にもこの本は文句なしに面白い。都を荒らす鬼を退治しに行って、腕を取ってきたのは良いけれど、鬼は必死にその腕を取り返しにくる。鬼と人間の知恵比べ+力比べの話しです。
赤羽さん66才の作品です。力の溢れる筆のタッチで、ぐいぐいと平安の世界に引き込んでくれます。もう何百年も練られた話しを、赤羽さんが絵本にふさわしいように再構成されているので、面白くないわけがない。日本風土、空気感を描いたら当代随一の赤羽さんの傑作だと思います。