美しい町並みを映し出す水彩。
文字に頼ることなく、ゆったりと進んでいく物語。
この世界に生きたい、とすら思いました。
一冊の本のために、町中を駆け回る少女ソフィー。自分だけの時間を持ち、確実に仕事をしていくルリユールおじさん。大切そうに本を抱えて走り回る少女と、言葉少なに本を直していくおじさんからは、本への限りない愛情を感じました。
「本を大事にする人は素敵な人」いつか聞いた言葉を思い出しました。
絵本を開いた瞬間に眼前に広がるやさしい色合いが、文字以上に情景を物語っています。
わたしは、この表紙を一目見るだけで、なぜかほっとします。