力量のある絵本作家が本当に描きたい対象に出会った喜びが隅々から伝わってくる一冊…
植物が大好きな少女ソフィーの壊れた図鑑を老ルリュール(製本職人)がみごとに再生させる過程で交わされる孫と祖父のようなやりとり…少女の本に対する愛着とそれに応えようとする職人…
「本には大事な知識や物語や人生や歴史がいっぱいつまっている。それらをわすれないように、未来にむかって伝えていくのがルリュールの仕事なんだ。」彼は少女からお金ではない充分な対価を得たに違いない
舞台となるパリ市街が丹念に淡彩画で描かれ、添えられた短い文章と併せて一冊の画集のようだ…事実、出版された翌年にパリで開催された原画展の報道をみると額装された表紙の原画は完全に一枚の絵画だ
本の寿命を延ばす手段の一つに図書館があるのだが、それはまた別な話…