広島市に住んでいる主人公のぼくは、小学校四年生。
いわたくんという、六年生の友だちがいます。
そのいわたくんには、ちづこという名前のおばあちゃんがいますが、おばあちゃんは、家族写真に絶対に参加しません。
その原因は、第二次世界大戦で投下された原子爆弾にあります。
そのことを、ぼくは小学校で行われた平和学習で知りました。
いわたくんのお母さんとちづこおばあちゃんが、みんなの前で話してくれたのです。
日本は平和な時代が何十年も続いているので、戦争のことを忘れがちです。
でも、にこにこ笑って幸せそうに見えるちづこおばあちゃんは、今でも家族写真に参加できないくらいに傷ついています。
もしかしたらその傷は、一生癒えないかもしれません。
主人公のぼくは、この本の最後で宣言します。
ぼく 戦争 せんけえね。
おとなになっても、 戦争せんよ。
ほんとよ。
私たちみんなも、心がけなければいけないことだと思いました。