そっと、抱きしめたくなる絵本です。
ゴフスタインの絵本は、どれもそうなのですが、
言葉遣いが、実に詩的。
読んでいると、言葉が心に堆積してきて、静かに光るような気がします。
特に、この絵本は静かで、柔らか。
いつまでも大切に持っていたい、と思わせるような絵本です。
90年前、私が子供だったとき、とおばあちゃんは話し始めます。
父が方舟を作ってくれたことを。
ーノアと動物たちを作りながら、父は楽しそうだった。
自分が大きくなるにつれ、父は動物を増やしてくれた。
遊ぶのは本当に楽しかった!
結婚したとき、夫はからかったけど、私は覚えている。
どんなに大切に彼が方舟を家まで運んでくれたか。
私は生まれた子供たちにノアの話を教えた。
シンプルな絵と、短い文章ですが、
読んでいると感極まります。
ーみんないなくなってしまったいま、
はこぶねはおもいででいっぱい。
ーよろこびとかなしみはにじのよう
それがわたしをあたためてくれる
おひさまのように。
喜びと静けさと淋しさと。
そして、やはり温かさが読み手に伝わります。
また、私と人生を共に歩む本が増えました。