あの「大草原の小さな家」(私が子どものときに放送されていたドラマの名前)が、安野光雅さんの挿絵で読めるなんて!・・・と、わくわくして手に取りました。
大きな森の小さな家に住むローラとその家族の、質素ながらも豊かな生活が、わかりやすい文章で綴られています。挿絵も多く、当時の生活がわかりやすいようになっています。
バターやラード、クリスマスのお菓子を手作りしたり、クマに襲われそうになったり、雪をとかしてお風呂に入ったり、現代の日本人にとっては不便な生活かもしれません。しかし、家族で協力して、心をこめてただただ目の前のことに一生懸命に生きる姿は、とても豊かなものにも思えます。
特に心に残ったのはクリスマスのエピソード。お父さんはお母さんのために木で手作りの可愛い棚を作り、メアリーはサンタクロースから、いずれも手作りの、ミトンと人形と飴をもらいます。そして家族と仲間と美味しいものを食べて楽しく過ごすのです。テレビで、クリスマス向けにおもちゃのCMがばんばん流れる現代とは違うなぁとしみじみ感じました。
家族愛があふれる素晴らしい物語に、安野さんの優しい挿絵がたっぷり詰まっていて、とても贅沢な本です。娘にも、小学校高学年になったら、ぜひ読んでもらいたいです。