高い塀に囲まれた屋敷に住むばあさんは、隣の小さな家に住むばあさんが大嫌いです。
「やつさえいなけりゃ うちのにわ、 もっと ひろくなるんだに!」
と、キリキリしています。
そんなある日、屋敷の塀に、青色の子猫がたまたま歩いていました。
屋敷のばあさんはいじわるをしたけれど、隣のばあさんは優しく世話をしました。
「たまたま」と名付けられ優しくされた子猫は、隣のばあさんのために何でもします。
屋敷に住むお金持ちのばあさんと、小さな家に住む隣のばあさん。
隣のばあさんは貧しいけれど、とても幸せそうです。
一方屋敷のばあさんは、お金持ちなのに、もっと欲しいと不幸そうです。
この絵本の設定は、色々な昔話とかぶります。
でも、結末はちょっと違うのです。
昔話ではいじわるをする側は不幸な結末を迎えますが、屋敷のばあさんはあることに気付き、幸せになります。
この絵本には、
たまたまここにいるだけの私たちが、誰のものでもないものに執着してもしょうがない。
全ては気持ち次第。
感謝して生きましょう。
というメッセージが、込められているようです。