私の叔母は、インスタントやテレビの流行食品をよく言いませんでした。人間は栄養が大事!調理済みなんて問題外だと。でも台所で祖母とよく口論して、料理を途中で放る癖もありました。
祖母の時代、電子レンジや冷蔵庫、炊飯器などあろうはずはなく、毎日毎日、鍋しゃもじ、包丁まな板、お竃さんを大切に、大家族の食卓を淡々と繰り返すだけで精一杯。しかしそれが、知識の大きい叔母の癇に障っていたのでしょう。二人とも、正しいのにね。
爽やかな現代風のイラストの食器やお箸、調理具たち、
中でも年季入りの包丁さんが先頭で繰り広げる、カップ麺らとのいざこざは、まるで私の祖母と叔母の口論を見るようでした。
違っていたのは、便利になって、明るく楽しくお料理できる環境がそこにある一方で、くらしの負担と偏りが別のところに生まれている現実です。カップ麺さん、助けてくれて、ありがとう。
洗い物するだけじゃなく、料理で手伝えるようにならないとなぁ。
包丁さん、手ほどきよろしく。
感謝。