ヨシタケシンスケさんは今や一番人気のある絵本作家である。
注目をあつめたのは、第6回MOE絵本屋さん大賞を受賞した『りんごかもしれない』(2013年)。
そのあとは、もう出す本出す本がベストセラーになる勢い。
この『つまんない つまんない』は2017年5月、刊行された絵本。
ヨシタケさんの絵本の面白さは、「発想絵本」と呼ばれることもあるように
読者にいろんなことを考えさせてくるところにある。
この絵本にしてもそうで、
おもちゃにもテレビにもあきてつまんないと嘆いている男の子とともに
つまんないをどのようにつまんなくしていくかを考えることになる。
男の子は考える。「ずっとなにかが同じなのがつまんないのかも」って。
それで、男の子は少しずつ座る場所を変えたらどうだろう、ズズズ、ズズって。
でも、やっぱり面白くないな。
そのうちに、つまんないというのはどういうことか、考えはじめる。
「自分と関係ないからつまんない?」「自分の思い通りにならないからつまんない?」って。
さらには、「一番つまんないのは何歳だろうか?」なんて考えたり。
「つまんない」ということで、こんなに考えたこと、あったっけ?
この絵本で「つまんない」を考えていくと、
きっとつまんなくなっている自分に気がつくはず。
これこそ、ヨシタケさんのマジック?