この本を知ったときに「ティラノサウルスシリーズ新刊が出たんだ」と思いました。今回もきっと泣かせてくれるのだろうと期待しました。が、期待以上の作品でした。本の題名からしてとてもすばらしい本だろうと思いました。けれども予想以上でした。宮西さんはいつも期待以上の作品を作り上げます。
この世は力の強いものが勝ち、そう信じていたティラノサウルスは力のないものばかりひどい目にあわせていました。しかしティラノサウルスは年老いてその力がなくなっていきました。もう何もかもおしまいと思っていたティラノサウルスの前に現れたのはトリケラトプスの子供でした。
この本を読み終わったときにもう涙が後から後から流れ出てきます。このティラノサウルスのとても純粋な「愛」はトリケラトプスの子供たちに受け継がれ、どんどん広がっていくことでしょう。どんな小さな命でも守らなければならない大切な命なのです。その命を守ろうと自分を犠牲にしたティラノサウルスはだれよりも本当に強い恐竜でした。何よりも強いものは「愛」なのです。