冬眠の季節だけど、空腹を訴える子ギツネ。
子を思う母ギツネが、冬の山中を駆け回る姿、村に出かけて犬の鳴き声に追われる姿、生きることの厳しさが伝わってきます。
そんなときに聞こえてきた「のせぎょう」の掛け声。
「こんこんさまにさしあげそうろう」の声で、母ギツネはお供物にありつけました。
キツネの害から村を守る祈りの中に、生き物たちと人間の共存の風習を見ました。
農作物の被害を考えるとき、動物たちとの共存、彼らも生きているのだと感じます。
特に今年は猛暑のため、本来は山奥で生息しているはずの、クマ、イノシシ、シカがあまり育ちの良くない果実や畑を求めて村や町中にまであらわれています。
自然被害かもしれないけど、環境破壊と人間たちが自分たちの都合で動物たちへの思いやりを失ってきたせいかもしれません。
この話のように、梶山さんの絵のようにゆったりと包容力のある気持ちって大切だと思いました。