ひらがなで書かれてはいるけれど、日本語が一つも出てきません。
でも、犬も英語で鳴くときは”Bow-wow“、日本語では「ワンワン」ですよね。
いったいこの絵本が、英語でどのように書かれているかは一度見てみたいものですが、英語の昆虫語なのでしょう。それが日本語の語感で見事に訳されています。
意味をなさない文字の羅列でありながら、声を出して読んだ時の音の響きで虫たちの会話や表情が生き生きと伝わってきます。
精緻で美しい絵を見るだけでストーリーがだいたい分かりますが、この昆虫語があるからこそ虫たちの世界を感じることができるのだと思います。