モノクロで、文字も一切書かれていない絵本なのに、どの場面を見ていても、自然豊かでカラフルな町の様子が目に浮かび、おじいさんの声や犬の鳴き声、畑や道端にいる小さな虫の声までが聞こえてくるようでした。
おじいさんが羽の生えた犬と空を飛んでいる場面は、ほんとに楽しそうで、私も一緒に空を飛んでるような気分が味わえました。
羽を結ばれてしまった犬の姿にはちょっと悲しくなりました。そして、大切なパートナーを守ろうとしたのでしょうか、車に飛び出してしまう場面には一瞬固まってしまいました。もし羽が自由に使えたなら、2匹一緒に空に舞って無事だったんじゃないか…辛く悲しく、この場面だけは周りの音や色も想像したくありません。
ラストでは、たくさんの羽の生えた子犬ちゃんが出てきて救われました。この愛らしく素敵なワンちゃんたちが、幸せに暮らせる世界でありますように。