病気平癒祈願の道中記が犬の目線で描かれています。
私が一番共感を持って読めたのは、目の見えない子どもと母親の道中でした。
ちょうど、愛知の佐屋(愛西市)、有松(名古屋市緑区)万場(中川区)などが出てきて土地勘もあるだけに情景が目に浮かぶように臨場感を持って楽しめました。
睦月の旅を江戸時代の地図を使ってたどってみても楽しそうです。
長い距離なので、当然楽しいだけではありません。助けてくれる人、そうではない人、人々の生活の機微が伺えました。
3年をかけたという労作です。夏休みに江戸の情緒に浸ってみるのもよさそうです。