人には、今後の人生を変えるような大きな出会いが必ずある。学校時代に、そんな先生に出会うことができたらとても幸せだ。
この作品のビクスビー先生と三人の少年との出会いも、幸運な出会いだった。
あなたにとって、卒業後も思い返す先生はどんな先生だろう?
私にとっては、学問そのものだけでなく、学びに向かう姿勢や生き方そのもの人生哲学までも伝えてくれた先生だ。
『カーネーション・デイ』の中で私が一番好きな言葉は「まだはじめてもいないのに負けてしまうことがある。しかし、かまわず挑みつづけよ。何が起きても」。
3人の少年のうちブランドに、ビグリスー先生が贈った言葉だ。父子家庭のブランドは、事故に遭い動けなくなった父のため、家事全般をこなしている。私が作品中一番心惹かれたのが、この少年だ。
作品は、少年たちが先生に会いに病院に向かうところから始まる。これから先はぜひ読んでいただきたい。
もし、今のあなたが忘れ得ぬ先生にまだ出会っていなかったとしたら、ぜひこの本の中でグリスビー先生に出会ってほしい。グリスビー先生は、きっと忘れ得ぬ先生になるに違いない。
そして、このレビューを読んでいるあなた、あなたが大人だったら、この本を学校図書館にいれるよう尽力してほしい。
この本との出会いを必要としているすべての子どもたちのために。