中学生になった娘が小遣いで買ってきた。
和田誠のどういうところがお気に入りなのかと尋ねると
「絵じゃないところが、なんかいい、うん」
絵も何て言うか、ユニークじゃないか、よれよれの線がと言うと
「よれよれじゃなくて、和田誠の指の軌跡と言って!」
美術部に所属する娘にたしなめられてしまった私。
これはことばのほんだから、めずらしいねと続けると
「文字も絵だよ、ほら、おんなじ字でもみんな形がちがうもの」
確かに、ちがう・・・。全部手書きだ・・・。すばらしい。
かくして「和田誠の絵と文字について」という講義は続いたのだった。