死んだ母親の代わりに赤ん坊を育て、山を守り、生き物たちを守ろうとしたやまんばは、神さまのような存在として描かれています。
井上洋介さんの絵が、やまんばを個性的に描いていて、一見怖さも感じるのですが、どうしてこれほどに心優しく、自己犠牲の気持ちを持っているのでしょう。
ひょっとしたら、やまんばは山そのものなのかもしれません。
山の木を伐採しようとする侍たちから、身を挺して山を守ったやまんばは木になりました。
育てられた子どもは、大人になり親となりました。
やまんばの意思を受継いで生きていくのでしょうね。
しみじみとした余韻が感動的です。