小学校の先生をしている知人が、子どもたちに読み聞かせしたら絶対惹きつける、
と太鼓判で薦めてくれた絵本です。
少し長いので、どちらかというと読み物に近いのですが、
音読すると独特の言葉の世界が耳に残ります。
知人の太鼓判もなるほど、と納得しました。
ジェイコブズによって再話されたイギリス民話が二作収録されています。
『トム・チット・トット』
ちょっとした言葉の取り違いで、娘はとんとん拍子に王様のお妃に。
でも、大事な約束を果たさなければならないのです。
黒い小人とのやり取りはドキドキものですが、
なかなかユーモラスな展開です。
日本流なら「大工と鬼六」といったところでしょうか。
スズキコージさんは独特な絵で迫力があるのですが、
このような民話とあわせると、不思議とマッチしていい感じです。
『ちっこい ちっこい』
こちらは「ちっこいちっこい」のリフレインが耳に残るお話です。
どこかで、ストーリーテリングの形で聞いたことがあります。
その響きに記憶がありました。
どちらも民話らしい、とてもスリルや不可思議に満ちたおはなしで、
何より、言葉が洗練されているように思いました。
ぜひぜひ、音読で楽しんでほしいですね。