ねこなら、さかなは生で食べそうなものです。じゃあ、このねこは普段さかなを焼いて食べるのか?読む前ならこんな疑問も湧きそうです。
猫好きの目からしても、決して可愛いとは言えない主人公のねこが、友達を探しに出掛けた先で、これまた一歩後退りしてしまいなへびと出遭います。
でも、「友達になろう」と言われてなれるものでもありません。ただただ心持ちの落ち着かないまま、本編は終わってしまった感はありましたが、“1ぴきなまのまま”の意味には納得しました。
それから是非、あとがきも読んでみてください。佐野洋子さんの幼少の頃のエピソードを読むことで、より良くこの作品が理解できると思います。
息子にあとがきまで読み聞かせすると、鼻頭に熱いものが込み上げて来るような高揚感がありました。そして、人と人が友達になったきっかけの不思議を、自分の経験の中で、思いを廻らせてみました。
僕の中では、すごく心に引っかかる作品のひとつになりました。