地道に売り歩いている豆腐屋から、毎日豆腐を一丁買う浪人。
「細かい金が金がないから」という逃げ口上を言い続けるも、疑わずに豆腐を売り続ける豆腐屋七兵衛。
この先どうなるのだろうとどきどきしながら読んでいたのですが、浪人にお金がないと分かっても、豆腐をあげようとしたり、何かを食べさせてやりたいと考える七兵衛の情の深さに、江戸らしい人情と温かを感じました。
浪人にとって、町人から施しを受けるのは心苦しいものだったかもしれませんが、己の志す道を捨てずに邁進するその胆力に豆腐屋は尊敬の念を持ったのだろうと思いました。
最後はお互いの身分を超えて、友情にも絆が生まれたのではないか・・・ そんな風に感じます。
本当に良いお話でした。