かがくのとも復刻版の中の1冊として、出会いました。
お皿・シンバル・車のタイヤ・コンパスなど、あらゆる丸いものが「自分こそまるのおうさまだ」と主張します。
丸の中の瞳が、こちらをじっと見つめている・・・見ようによっては、怖いという子もいるかもしれません。
うちの息子は平気なようでしたが、
多分、もし私が不用意に「これ、怖いね」などと言おうものなら
「怖い〜」と言い出すでしょう(笑)
地球も、太陽も、宇宙も、全て丸いのです。
でも、「おうさまなんていらないのだ」と地球は言います。
身近にある「まる」の話から、地球や宇宙にまで発展するところが、
科学的思考を養うという意味で、今読んでも斬新な視点です。
絵はレトロですが、古くて新しい、という印象。
でも、ところどころ、本当に古い表現や言葉になってしまっている部分もあり、
読み聞かせの時にはちょっと解説が必要かも。
例えば、レコードなどは、今の子どもたちは存在自体知らないでしょうし
(CDと同じようなもの、ということにしてます)
「そらとぶえんばん」という表現が出てきますが、
現在の、普段使う言葉では「UFO」としか言いませんし・・・
そのあたりは、適宜読み替えながら楽しんでいます。
「すこしくらいゆがんだっていい
まるをかいてみよう
しろいかみにちからいっぱい じぶんのまるを」
最後のページの言葉に、息子も「まる、かきたい!」ととてもやる気になっていました。
【事務局注:このレビューは、「まるのおうさま」かがくのとも 1971年02月 に寄せられたものです。】