『子どもに語るモンゴルの昔話』にも収録されていて、赤羽さんの絵本より先に読みました。
とても切ない胸をつかれるような話で、赤羽さんはこの作品をどのように描かれているのかと思い、前から興味がありました。
クライマックス場面の、ハイリブが石になっていく葛藤に満ちた顔の場面がとても印象に残りました。
大水が来るということを先に知ってしまったハイリブは、他の人たちを助けようとすれば、どうしてそれを知り得たのかを明かさなくてはならないのです。
命がけで人を助けるとは、このような状況を言うのでしょう。
石にならずに生きながらえても後悔にさいなまれて生きるのは耐えがたいものがあるようにも思います。
究極の選択を前にした時に、人は何を選ぶのか、とても考えさせられ、身につまされる昔話です。
赤羽さんといえば同じくモンゴルを描いた『スーホの白い馬』もありますが、
この作品もぜひ皆さんに知っていただきたい作品だと思います。