「いじめ根絶月間」というものがあるようで・・・。それに合わせて、小学4年生の朝の読み聞かせで使用しました。
雨降りでどんよりしている雰囲気の中、ますます空気が重くなるようなこの絵本。4年生ともなると、読み聞かせの反応もシビアな時があるので、ちょっと怖かったんですけど・・。
そんな心配は必要なかったかな?と思う位、子供たちは真剣に聞いてくれました。
初版された年がいつか確認するの忘れてしまいましたが、「レコード」という表現からも、すこし前の時代の絵本でしょうか・・。
いじめはもちろん 良くない事。
してはいけない事なのが当然なのは、昔も今も同じです。
でも、出版された当初と今では、読み取れる事・子供たちに より伝えたい部分が少し変わってきているんじゃないかなぁ、と感じました。
例えば、およそ20年前、中学生だった私がもしこの絵本を読んだとしたら
「いじめられる人の苦しみを考えよう。いじめはしてはいけない。いじめはやめよう」と、その程度の感想にとどまったと思います。
買い与える・読み聞かせる側の大人たちも、「いじめをやめましょう」という攻撃する側へのメッセージの方が強かったのでは・・?
しかし現在、母である35歳の私がこの絵本を読み聞かせる時に、子供たちに一番伝えたかったのは、「この絵本の少女のように、死なないで」という事でした。
攻撃される側への「いじめられても 死なないで」だったのです。
いじめる子供たちに対してだけ読むのではなく、いじめられている側の子供にこそ読んで欲しい。そう思いました。
世界は広いです。いじめて来る子たちだけが全てじゃないんです。必ずどこかに友達はいるから、どうかすべてに背を向けて心を閉ざして死んだりしないで欲しい・・。読み聞かせをおえたあと、子供たちにそう言葉を添えました。
どんな形ででも、子供たちの心に残って、忘れてほしくない作品です。