昔々、ある村の人々は、どんどろ山の妖怪たちに悩まされていました。
妖怪たちが、村の畑を荒らしたりどろぼうをしたりするのです。
困った村人たちは、へのへの山のてっぺんにすむという、「へのた様」に助けを求めることにしました。
実は、村人たちは、へのた様に会ったことがありません。
たくましい力持ちで、どんな強いものでも一発でやっつけるという噂を知っているだけです。
藁にも縋る思いでへのた様に会いに行った村人たちは、がっかりしました。
なぜなら、へのた様は、小さな男の子だったからです。
でも、黒い眉毛はきりり。
丸い目はきらきら。
腕っぷしも強そうです。
これならいけるかも!
村人たちが頼むと、へのた様は快く引き受けてくれました。
へのた様は、イヌとサルとキジをお供にしてどんどろ島に行き、妖怪たちをみごとに倒し、盗まれたものも取り返して帰ってきました。
それにしても……不思議です。
小さな男の子のへのた様は、いったいどうやって戦ったのでしょう?
噂になるくらいだし、どんどろ山だけでなく色々なところで戦ってきたのでしょう。
へのた様は、百戦錬磨です。
でも、どうやって?
それは、絵本を読んでのお楽しみです。