「よだかの星」は、宮沢賢治のの作品の中でも好きな作品です。
鳥たちからばかにされ、それを悲しみながら、懸命に空を飛ぶ姿が、雄々しくも感じられます。
姿美しいカワセミや、愛らしいハチドリと親戚だというところも、気にかかりました。
でも、よだかはその鳥たちからすると、劣等感を持って仕方がないような奇異な姿をしています。
それを個性的とも言うのでしょうが、実際によだかを見たことがないだけに、想像の中でイメージを膨らませていました。
今回、佐藤国男さんの描いた木版画のよだかを見て、その「残念ないきもの」的な表現が本当のヨタカそっくりであることを確認して、このお話の重さを改めて受けとめました。
姿かたちで人を評価してはいけないという、当たり前のことを再認識しました。
お話の中で、よだかの飛翔は悲愴ではあるけれど、輝いています。
佐藤国男が木版画の特性をいかして、最大限に表現していると思いました。