宮澤賢治らしい自然の美しい表現が魅力的でした。
ちょっとくどいかなというくらいのくりかえしのやりとりや歌なんかも、賢治作品のいいところでもあるし、長いお話ですが小さい子にもなんとなくわかって楽しめると思います。
高学年対象に読み聞かせするのにとても苦労させられました。聞き慣れない文章の言い回し、昔風の言葉使い、歌の部分のリズムのつけ方、などなど、たくさん練習しました。この絵本の文章の句読点のつけかたはところどころ「?」で、文章の区切り方も考えました。
二人の子どもがキツネに幻燈会に誘われるお話なのですが、その幻燈会は12歳以上入場禁止という設定です。11歳12歳あたりの子どもはその部分に反応して興味をそそられるみたいで「オレまだ11歳、セーフ」「ああ、オレは12歳だからだめだー」みたいな感じで、盛り上がりました。
キツネは人をだましたりはしない、酔っ払ったり臆病だったりした人が、兎のふんを団子と間違えて食べてしまったりするという意外な内容にも子どもはひきこまれていくと思います。
お話は前から知っていて、頭の中では真っ白い銀世界を想像していました。この絵本の絵は黒ベースだったので、ちょっとびっくり。でも考えてみたら夜の幻燈会なので、周りが黒なのも頷けます。