娘が、とても大切にしていたイヤリングを公園で片方失くしてしまい、涙も涸れんばかりに泣いていた夜、言葉で慰める代わりに手渡した絵本です。
きつねのこが丸木橋の袂で見つけたきいろいばけつ。「だれのだろ?」 きつねのこは、ばけつを覗いてみたり、提げてみたり・・・。「とってもよくにあう。まるできつねくんのみたいだ。」くまのこも、うさぎのこも、そう言いました。「ほんとに ぼくのだったらねえ。」 そうして、3匹は、一週間経っても持ち主が現れなかったら、きつねくんのばけつにしようと、決めます。
1週間という時間の長いような、あっという間のような・・・。でも、この1週間で、本当に様々なことを感じながら、ばけつと「2人だけ」の蜜月の時を過ごたきつねくんは、その時間があったからこそ、「いいんだよ、ほんとに」の言葉が、本心から言えたのでしょうね。
一方・・・娘のイヤリングは、パパが暗い夜道を探しに行って、見つけてきてくれました!こちらは、ハッピーエンドで終わりましたが、きつねくんのきいろいばけつと同じように、物自体でなく、物への思いや、物の心を、より大事に思える心を育んでいってほしいな、と思いました。