私の勝手な想像ですが、主人公の「わたし」は、もしかして、嫌なことがあって落ち込んでいたのでしょうか?
そんな時に遭遇した、さくらの谷の鬼たち。
さくらの谷は桜が満開で、お花見をしている色とりどりの鬼たちは、「わたし」を快く迎え入れてくれました。
「わたし」はすぐに打ち解けて、一緒にかくれんぼをするまでになりました。
けれど、かくれんぼの鬼となった「わたし」が木々を通して見る彼らの顔は、懐かしい顔ばかり。
もしかして、「わたし」の落ち込んだ心がかつての人たちを呼んだのでしょうか。
そうして、彼らとの触れ合いで元気になった「わたし」は、またきっと会えるからと、谷を後にしたのではないかと思いました。
春の始まりにふさわしい、幻想的な絵本でした。