詩人の工藤直子さんが紡ぐ、ちび竜の成長譚です。
伴走するのは、動物画を得意とするあべ弘士さん。
いつもと違った、版画のような、白黒を基調とした絵が印象的です。
水たまりで誕生したちび竜は、周りの生き物たちとの交流でどんどん成長するのです。
そう、竜は、生き物であると同時に、大地や空、雲、雨、水などとも共生するのですね。
工藤直子さんの文章は、成長を独特のオノマトペで描きます。
色を抑えたあべ弘士さんの絵との相乗効果で、
リアルな情景が立ち昇ります。
圧巻は、見開きのラストの姿。
力強いフィナーレの文章は、とても力強いです。
小学生から大人まで、きっと心に残るメッセージだと思います。