絵本のカバーの見返しに、ひらがなで、
「もとながさんはへんなひとで、へんなえをかくから、
ふたりでえほんをつくってみたら、へんなえほんができた」
みたいなことを谷川さんがおっしゃっていて、思わずその文に
引き付けられ読んでみると、静かな面白さのある絵本でした。
こどもの幼稚園の本棚でも図書館でも見かけたことがあって、
とても気になっていたのですが、いつも何となく手にとらず、気が
つくと4年以上が経過していました。
そして今回、機会があって読んでみて思ったのが、
こういう擬態音語の絵本は、ずばりその音を表した絵だけで勝負しな
ければならないから、すごく大変だろうなぁと。
一体、この『もこもこもこ』は、元永さんの絵か谷川さんの言葉か、
どっちが先に出来たのだろう?と思うくらい、絵と言葉があった絵本
でした。本当のところはどうなんでしょう? 是非、聞いてみたいです。
息子自体は、この本を読んだことがあって、今また一緒に読んだところ、
「もこもこ」が団子の形になった「にょきにょき」を食べるページに
なると思わず吹き出していました。
最初の「しーん」という言葉は、読み始めるまで、一体どういう
意味なのかよく分からないけれど、突然始まった、「もこ」が
意外だけれど実に自然で、その後の展開もスムーズに言葉が繋がって
いて、最後にまた「しーん」が来るのが、妙に納得しました。
これでまた、「もこ」から始まるのかな?という気になります。
1歳ぐらいの子に、言葉の面白さを知ってもらうのに一読してみる
価値のある絵本だなと思いました。
大人にも不思議な魅力のある絵本でした。