桜の季節にぴったりのお話ではないかと思い読んでみることにしました。
瀬尾七重さんの童話は、繊細さや優しさが安房さんの作品に共通するところがあるように気がして、大学時代によく読んでいました。
桜の花ほど日本人の心の奥深くに住む花はないと思います。長く生きてこればその分、桜の花にまつわる思い出も増すような気がします。
桜の木のある家に住むルツさん。
ルツさんと花の精との温かい交流が描かれていて、心が温かくなります。
物言わぬものにも、魂があり、それは見える人や聞くことができる人にだけわかるというもの、安房さんと共通しているような感じがしました。
桜の季節には、素敵なマジックがおこりそう、そんな気分に浸ることができる優しいお話だと思います。