たまたま手に取った絵本で、特に期待もせずに読みました。
まるで昔語りを聞かされているような文体で、読み進めるうちに絵本の世界にすっと入り込めました。
長者の娘は大切にされて、いつも一人ぼっちで遊んでいました。
ばばさまが、あの子は汚いからダメ、鼻がたれてるからダメと、他のこと遊ぶのを許してくれなかったからです。そんな女の子の遊び相手はお人形とイタチでした。ところが女の子は突然亡くなります。
悲しむ母親。母親の立場で読む私は、もし我が子にこんなふうに突然不幸があったらと、重ね合わせて読んでしまい、とてもつらかったです。
でも娘がいつもうたっていた子守唄を、イタチがうたい、それを聞くうちに母親の心の傷が少しずつ癒えてきます。悲しいお話ですが、母親がイタチのうたう子守唄に癒されていくところが、読んでいて救われました。