読んだあとの、このいたたまれない気持ちをどうすればいいのでしょう。
ライオンのブルブルと親代わりの雌犬ムクムク。やがて成長し、都会の動物園の人気者になっても、ブルブルが思い出すのは、ムクムクが歌ってくれたやさしい子守唄。ある晩、その懐かしい子守唄を聞いたブルブルは思わず檻を飛び出し、声のする方へ、走っていってしまいます。
そして、夜の町は大騒ぎに‥。
最後は余りに悲しすぎる結末です。でもただ悲しいだけではなく、二人の互いを思う気持ちの清らかさや、人間の身勝手さ、などいろいろな感情が湧き上がってくるような読後感でした。
せめて天国ではいつまでも一緒に幸せに暮らして欲しい、と大人である私が、心から願わずにはいられない絵本です。