たぬきのポンが、となり村の秋祭りによばれて、楽しく帰ってきました。お酒も入って、ふらふら、ひょろひょろ、いい気持ち。ところが途中で大事なしっぽをなくして……。
黒をベースに黄色のみを使った二色刷。
見返しからして、いかにもたぬきの住んでいそうな山の風景。
開いてみて、「えっ?しっぽをなくす?気づかないの?痛くないの?」という息子の質問攻め。「よっぱらってたからね〜。」と、お茶を濁して先へ。
しっぽは拾われ、村にニューモードが。
ポンの方は、たぬき仲間にからかわれ、十五夜のイベントにも出られず…。
しっぽは、3万円で古着屋へ引き取られ。古着屋は………。
ポンが、早くしっぽにたどり着くようにと、ページめくりを急がされました。
引き算が少しできた息子が、「なんで拾ったチョロは、ファッションを楽しんでその上、3万円ももらえるの?」と。またまた、「なんで?なんで?」の質問攻め。
『ここで、お話終わらないでよ。』って、読後思いました。
が、よく考えてみると、読後必ず我が家のようなやりとりを皆さんしていることだろう。
そうか、これは、“絵本の後に親子で話しあってみて”っていう作者の意図なのだという結論に達しました。
表紙絵からもおわかりのように、“月夜のたぬき”がとても愛くるしいんです。
黄色は、月と影法師と、あと一つに使われているだけです。
この一つが、また笑えるんです。
引き算ができる頃に、お薦めします。