雪を見たことのないくまのくんちゃんは、雪が降るまで冬眠をのばしてもらいます。初めて見た雪はまるで小さな星のよう。お母さんといっしょに雪ぐまを作ると、森の鳥や動物たちが集まってきて、くんちゃんはすてきなことを思いつきます…。
お話は、森の家にひっそりささやかな生活を営むくまの親子の、冬ごもり前の一こまを描いたというもの。それだけなのですが、親子の会話、やりとりから何ともいえない温もりが感じられる作品です。
動物たちとの冬のお祝いをする場面や、最後、お父さんが持ってきてくれた、あったかそうなくま模様のまっさらな毛布で冬眠に入るところなど、何気ないけれど「あ、いいな」と感じた箇所がたくさん。くんちゃんが雪ぐまになった夢を見ながら眠ってしまうと、息子が「あ〜あ」。どうしてと尋ねると、「もっと読みたいから」と一言。いい絵本って不思議です。何気ないのですが、子供を知らず知らずのうちに魔法の世界に誘っています。