ピーターは口笛が吹けません。何度も何度も吹こうとしましたが、うまく吹けません。飼い犬のウィリーがやってくるのを見て、ピーターは空き箱の中に隠れます。ここで口笛吹いたら面白いだろうな、と思いながら口笛を吹こうとやってみますが…。
『ゆきのひ』で知られるキーツの絵本です。『ゆきのひ』と同じピーターが主人公です。わが子(小1双子)は、娘は口笛を吹けますが、息子は吹けません。この本を読んだ時、息子はかぶりつきで聞いていました(笑)。ピーターの姿に自分を重ねていたのかもしれません。最後に上手に吹けるようになった場面では、私までうれしくなりました。全編にあふれているピーターの“子どもらしさ”が本当に可愛いなー好きだなーと思いました。
序盤、ピーターがぐるぐる回りをするところでは、止まったあと周りが上がったり下がったりするくだりで、息子が思わず「そうだよね!上がったり下がったりするよね」と嬉しそうに言っていました。私が個人的に一番気に入っている文章は、「おかあさんは ピーターと ウィリーに、ね、そこまで かいものに いってきて、と たのみました」です。お母さんの優しげな「ね」が素敵です。木島さんの訳のセンスの良さを感じました。