画本 宮沢賢治 というシリーズの一冊です。
さすが、“画本”というだけあって、文章の入り方も絵も装丁も美しく、素晴らしい絵本になっています。
ちょっとしたしかけもあります。
全体的に不思議な雰囲気を醸し出しながら、セリフなどに大正〜昭和初期の匂いがプンプンするお話です。
内容は、3匹の蛙が主人公の、宮沢賢治の動物モノです。
3匹ともゴム靴が欲しかったのに、手に入れたのは、カン蛙だけ。それだけでもうらやましいのに、てんとうむしのお婿さんにまで選ばれてしまいます。
もう、ブン蛙とベン蛙の腹立ちは、収まるところをしりません。
その結果、「蛙の消滅」。
結構、怖い結末なのに、最後まで可笑しさが絶えません。
一見、文章量が多いのですが、読んでみるとスラスラと読めてしまいます。
見開きに、イーハトーヴの地図が載っているのも楽しいですよ。