「ほんもの」って何?
おもちゃにとっての「ほんもの」って?
値段の高いおもちゃや機械仕掛けのちょっとこったおもちゃは、我こそ本物だと自信満々。
でも、ウマのおもちゃが教えてくれます。
心から大事に思われ、子供の本当の友達になったおもちゃが「ほんもの」だと言うことを。
長い年月がたち、古くなり、ボロボロになったとしても。
そして、ビロードのうさぎは、たしかに、その「ほんもの」になりました。
毎日、ぼうやと一緒にすごし、汚れてボロボロになったビロードのうさぎを見て、
「どこがいいんだろ、こんなきたないおもちゃ」
と言ったお手伝いさんのナナに対して、
「この子はおもちゃじゃないの、ほんとうのうさぎなの」
と言ったぼうやの言葉が印象的です。
「ほら、お人形さんが落ちてるよ。」
と言った私に、
「お母さん?これはお人形さんじゃなくって、マリちゃん。ちゃんと名前で呼んであげて。」
と言った娘の言葉を思い出しました。
子供にとって、大切なおもちゃは、ただのおもちゃではなく、人格を持った友達そのもの。
いつも友達と一緒にいる心地よさ。
そして、いつもいつも一緒にいるだけで幸せだという気持ち。
大切なおもちゃと遊んだ思い出。
それは、大きくなっても、どこか、心の芯の部分に、暖かい気持ちとして残っていくんだろうな、と思う絵本でした。